2008年03月14日

富山県「鯰温泉」編

 由緒ある温泉の由来書き眺めると、開湯の伝説には高僧と動物が登場すること
が多いです。
 高僧では行基、空海(弘法大師)の名前が多く、白山周辺には粟津温泉など泰澄大師が開いたと伝わる温泉もあります。

 そして、動物ですが、よく「傷ついた○○が傷を癒している姿を見て温泉を発見」というエピソードを聞きませんか? この○○に入る動物は全国各地にいろいろな種類がいます。 多いのは猿、鹿、熊、白鷺、鶴、鷹など。ユニークなところではヘビや亀なんていうのも。

 石川県の山中温泉は、開湯が僧行基で、その後一時期寂れて忘れ去られてしまったところ、一羽の白鷺が足の傷を癒している姿を見て……という、温泉開湯伝説のフルコースといえる、一粒で二度おいしい、珍しい温泉です。

 白鷺は湯涌温泉、和倉温泉の開湯にもゆかりがあります。他にも富山の山田温泉は猿、福井の鳩ヶ湯は山鳩が、それぞれ傷を癒している姿から発見されたと伝わります。

 これらの伝説の真偽は今となっては定かではありませんが、古くから薬効の高さで知られていたという証であることに間違いありません。

 さて、今回紹介するのは温泉は「鯰(なまず)温泉」という、富山市にある温泉です。

 その名前から、「鯰が傷を癒している姿から発見された温泉」かと想像し、「でも、傷ついた鯰ってなかなか判り難いよな」などと勝手に想像を膨らませてしまいましたが、「腫物のある親狐に子狐が水をかけているのを見つけ、狐が去った後そっと水辺をとのぞき込むと白鯰の群が月影にあやしくうごめいていた」事からついた名前のようです(鯰温泉のホームページ参照)。

 この温泉、富山市内といっても海に近いのどかな田園地帯の真っ只中にあります。
 旅館に併設された温泉ですが、浴場は入口も建物も別。あたりには田んぼしかない辺鄙な立地にもかかわらず、昼日中からひっきりなしに入浴客が訪れる盛況ぶり。
 それもそのはず、この温泉にはナトリウム塩化物泉、炭酸鉄泉の2種類の源泉が引かれていて、しかも銭湯料金で入浴ができるのですから。

 内風呂は入浴客が多いせいもあってちょっと窮屈な感じがします。湯船は2つあり、小さい方には褐色の炭酸鉄泉の湯が満たされています。ほとんど透明感のないお湯は濃厚でいかにも効きそう。でも、鉄泉というと過去に何度か湯あたりをした経験があるため、軽く浸かって露天風呂へ。

 大きな石を配した石庭風のスペースが目立つ露天風呂は内風呂に比べて妙に広く感じます。ただ、隣が駐車場のため目隠しに高い塀が設えてあって、あまり開放感はありません。もし、塀が低ければきっと立山連峰も望めるかもしれないのに……と、ちょっともったいない気もしますが、敷地の割に小さめの湯船に満たされたナトリウム塩化物泉の湯がまた素晴らしい。一部循環ろ過もさせているようですが、かなりの量のお湯があふれ出ています。

 景色が今ひとつな分、気持ちがお湯に専念できて良いかもしれない。1箇所で2つの源泉が楽しめるなんて、なんとも贅沢な温泉です。

〔鯰温泉〕

 ◎住所:富山県富山市今市
 ◎電話:076(435)0016
 ◎泉質:含鉄(2)硫黄-ナトリウム-塩化物泉《硫化水素型》(等張性中性低温泉)、炭酸鉄泉
 ◎利用:一部循環ろ過
 ◎入浴:大人370円 中人120円 6歳未満60円 第一月火休
 ◎宿のオフィシャルサイト
  http://www.atw.ne.jp/~namazu/

 ※記載内容は取材時のものです。現在は変更なっている場合もあります。
 (取材2007年4月)
posted by Dr.若井 at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 富山県の温泉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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